『古今記録』は斎藤孝 氏が「姉崎の事蹟を後世に残すこと」を目的として、明治四十三年に編纂した姉崎の記録書である。 当時の姉崎の旧家、神社仏閣などに残された古文書、伝承、風習などを収集したものであり、大正時代に発刊された『市原郡誌』の底本の一つとされている。
『古今記録』は変形B5版300ページにわたり
姉崎の地頭代官年代記、姉崎神社寄進覺、年貢石高、用水普請、神社仏閣、名勝旧跡、名誉事蹟(義僕市兵衛、孝子五郎、史記評林改訂)、名誉家偉人
等々多岐に及ぶ事項が記録されている。
斎藤氏の郷土・姉崎を想う熱い気持の『巻頭の叙』をそのまま紹介する。(句読点は当館で付与)
當姉崎町
ニハ元禄年間有名
ノ義僕市兵衛
アリ、又文化年間
ニハ孝子五郎
アリ、猶又天保年間
ニハ當藩修来館
ノ史記評林改訂等
ノ名誉事蹟續出
シタリ。 茲
ニ於
テ、不肖右等事蹟
ヲ後世
ニ傳
エテ、永
ク煙滅
セラレン事
ヲ憂
ヒテ、古記録
ト共
ニ一本
ヲ編
セントシ、同族所蔵
ノ記録、及當町各奮家
ノ古記録
ヲ始
メ、各神社仏閣等
ニ付
テ数年間苦心経営、捜引旁證頗
ニ努
メ、古老諸賢多大
ノ助言
ヲ得
テ、漸
ク茲
ニ一本
ヲナス。 特
ニ本校
ニ寄贈
シテ、有志
ノ一覧
ニ供
ヘ、聊
カ教育上参考
ニ資
セントスルモノナリ。 然
リト雖
モ、浅學寡聞
ニシテ文意拙劣、恐
ラクハ誤謬、遺脱少
カラザルベシト信
ズ。 謹
テ来賢
ノ補正
ニ待
ツ所
アルベシ
語文
ハ凡
テ考證上古記其儘
ヲ用
ユ諸氏是
ヲ諒
セラルベシ
姉崎町姉崎
明治四十三年 齋藤 孝
七月 謹 織
『古今記録』を通読するのはくたびれますので、全文は当館・資料室に掲示し、ここでは蘆竹が描いた挿絵を中心とした部分を抜粋して紹介します。
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