『山王山古墳出土遺物』                       【市指定 考古資料 平成30年5月1日 姉崎2957】

山王山古墳 昭和30年頃
 手前は旧姉崎中学校

 
 市原市には、1500基を超える古墳が存在していますが、全長が60mを超える古墳は市内に17基しかありません。このうち9基は姉崎地域に位置しており、これらの古墳の集まりを「姉崎古墳群」と呼んでいます
姉崎山王山古墳はこの姉崎古墳群の一つで、姉崎神社のある台地の西側先端部に位置しています。全長69mの前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)で、築造時期は古墳時代後期の6世紀中頃と考えられます。昭和38年に造成工事によって消滅しましたが、事前に行った発掘調査で、多くの貴重な遺物が出土しており、このうち副葬(ふくそう)された4点の遺物を市指定文化財(考古資料)に指定しました。
 今回指定したのは、金銀装単龍環頭大刀(きんぎんそうたんりゅうかんとうだち)()ロク(竹かんむりに録)、金銅製冠(こんどうせいかんむり)編組製品(へんそせいひん)です。
 金銀装単龍環頭大刀は、銀装の柄部分には楕円形をした龍の体部を、その中央には炎を吹く龍の頭部を鋳造により表現しています。この大刀によく似たものが、朝鮮半島の百済(くだら)武寧王陵(ぶねいおうりょう)から出土していますが(523年頃のものと推定)、山王山古墳の龍の表現の方が、やや簡素化しているため、年代は百済武寧王陵のものよりやや新しくなると思われます。
 胡ロクは矢を収納するための武具です。本体は木製であったと考えられますが、腐食して残っておらず、飾金具(かざりかなぐ)と収納されていた矢の先端(鉄鏃(てつぞく))が出土しています。飾金具の幅は約30cmであり、胡ロクの飾金具としては長大なものとなるため、平胡(ひらこ)ロクと呼ばれる形式で、主に儀礼用として用いられたことが想定されています。
 金銅製冠は厚さ0.65mm前後の、非常に薄い銅板の表裏に金箔を張った冠です。冠の内側からは青銅に銀箔を張った耳環(耳飾り)も発見されており、豪華なつくりとなっています。また、冠に接して頭蓋骨が発見されており、被葬者が冠を装着した状態で埋葬されたことが分かる数少ない事例です。
 編組製品は植物の繊維を編んだ敷物です。埋葬施設の底面から発見されており、埋葬の際に棺の下に敷いたり、棺を包んでいたことが想定されています。埋葬の様子を知ることのできる、全国的にも類例の少ない貴重な資料です。
 姉崎山王山古墳から出土したこれらの遺物は、保存状態が良好で、埋葬当時の様子を伝える資料として、全国的にも類例が少なく貴重であり、またその組み合わせは、姉崎古墳群の被葬者の権力を示す豪華なものであることから、平成30年5月1日付けで市指定文化財(考古資料)に指定しま

『市ホームページ』より
                 『姉崎古墳群』==> ここから
  
 金銀装単龍環頭大刀
  金銅製冠


  編組製品