力石(ちからいし)

楕円形で表面がツルツルしており、よくみると二十貫などと刻まれている、そんな石を神社境内の片隅などで見かけたことはないでしょうか。

「力石・担ぐ男の心意気」:高松慎助 四日市大学教授(日経新聞 H13.10.18)によると
昭和の初めころまで、全国各地の集落には、大きな石を持ち上げて、力比べをする風習があった。その際に使う石を「力石(ちからいし)」という。
−− 中略 −−
力石による「力持ち」は男子にとって、一人前の男として認められるための通過儀礼にもなっていた。力石が担げると一人前と考えられており、若衆組(青年団)加入の条件になっている集落もあった。
−− 後略 −−
我が姉崎にも「力石」が残っていました。
川崎稲荷神社の鳥居下に、数個を見つけました。(写真:下)
地元の方のお話では、かつては澤山あったようであるが、何時の間にか今残っているだけとなってしまったそうである。
石に重量や担いだ人の名前を刻むことを「切付(きりつけ)」といい、「切付八掛け」という言葉があり、多くの「力石」の切付の八割が正味の重量とされる(上記記事)。
川崎稲荷の「力石」(写真:上)には「三拾五貫目」(約130Kg)との切付がありますが、果してその正味は!?

力比べの風習が無くなった現在、「力石」も忘れ去られようとしています。
ほかの神社の境内の片隅にも忘れ去られた「力石」が多くあるのではないでしょうか。
ご存知かたはお知らせください。
当欄で紹介していきたいと思います。