忠霊塔

  妙経寺山門の道路を挟んだ反対側に大きな石碑が建立されている。
これは昭和31年11月 町の内外から集められた寄付によって建立された忠霊塔である。
日清日露戦争以降太平洋戦争で戦死した旧姉崎町出身者375柱の名前が刻まれている。
 高塔の「忠魂」の碑文の文字は当時の総理大臣鳩山一郎氏の揮毫によるものであり、忠霊塔除幕式の模様はNHKテレビが日本一の忠霊塔として放映・紹介された。

  忠霊塔の「表忠銘」碑文
祖国の不滅を信じその安泰と東亜諸国民の觧放を念願し喜んでその礎石たる事に甘んじ身を挺して戦陣に突入し莞爾として任務に殉じて逝った崇高な精神は永久に亡びるものでな今日に於ても依然としてわれら郷党の中にも尊い精神の姿を映じ尊崇感謝の念を失ってはないのであります。
遠く日清日露の戦役以降満州支那事変今次大東亜戦争に至る当町出身の戦没者三百七十五柱の英霊を祀り其の偉勲を顕彰し忠魂を慰めるためにも当時の戦友の間に忠霊塔建設の議が起り先は町議会の協賛を得るに至り郷友会亦相呼応して広く各種団体区長有志等に諮り挙町一体の忠霊塔建設委員會が結成されたのであります、此事一度傳るや町内外の有縁者の熱烈至純なる協力を辱ふし半歳を出でずして建碑の功全く成る。聳え立つ高塔を仰ぎ見ては英霊の遺徳を追慕し伏して遺族に思を致すとき万感胸に迫る冀くは英霊永へに此處に鎮まり給いて郷土を照覧し恵みと守護を垂き給えと念願するものであります。
           昭和三十一年十一月                                    姉崎町忠霊塔建設委員會      
                 委員長 小泉茂 謹誌
                     中村満 筆 
  塔の前面に明治天皇の御製の石碑がある。

御製

『世とともに 語りつたえよ 国のため
             命を捨てし 人の勲を
   慰霊塔の脇に、日清日露戦病死者の忠魂碑が建立されている。
陸軍大将・乃木希典の揮毫によるものであり、裏面に9名の戦病死者名が刻まれている。

大正元年十月建之
    帝國在郷軍人會姉崎町分會
    姉崎町役場
    有志一同