市原市指定史跡 六孫王原古墳                        


六孫王原古墳は、姉崎古墳群を構成する最終段階の首長墓と推定される前方後方墳です。 全長45.5メートルの墳丘周囲に、東西53メートル・南北33メートルの外形長方形の周溝をめぐらし、後方部の中央やや南よりに、南に開口する凝灰質砂岩製の切石積横穴式石室が設けられていました。
昭和45年などの発掘調査によって、副葬品と推定される金銅製馬具・直刀・刀子・鉄鏃や、須恵器大甕・長頸壺などが出土しています。これらによって、当古墳は7世紀中葉頃に築造されたものと推定されます。
姉崎古墳群は、4世紀から7世紀にかけて、上海上国造とその前身豪族によって継続的に築造された、南関東最大の古墳群です。
六孫王原古墳は、こうした姉崎古墳群の最終段階の首長墓という位置づけや、古墳時代終末期の国造級の首長墓の多くが方墳へと変化する中で、前方後方墳という特異な墳形を採用し、終末期の前方後方墳の中でも最大級であるなど、本市のみならず、日本考古学上の貴重な古墳です。
平成8年3月      市原市教育委員会