千葉県指定史跡 二子塚古墳                        


二子塚古墳は、5世紀の中頃に造られた前方後円墳です。
姉崎周辺の海岸平野の浜堤上に築かれた古墳としては、墳丘の現存している唯一の大型前方後円墳で、全長約106メートル・高さ8〜9メートルあります。
いまでは、住宅地と水田などに囲まれた大きな築山だけになっていますが、造られた頃には、周囲に碧々と水を湛えた「周溝」がめぐり、古墳の雄姿を水面にくっきりと浮かび上がらせていたことでしょう。
昭和22年に行われた発掘調査では、前方部と後円部とにそれぞれ埋葬施設が発見され、太刀、鉄鏃・玉類・金銅製衝角付冑など、たくさんの副葬品が出土しました。中でも、前方部から出土した銀製の垂飾付耳飾りや、後円部から出土した「蟠蜘文境」と呼ばれる白銅製の鏡などは、朝鮮半島や中国からの舶載品と考えられています。
また、調査に先立つ昭和20年に偶然発見された「石枕」は、直弧文と呼んでいる古墳時代特有の文様が表面に線刻された優品で、国の重要文化財に指定されています。
平成3年3月30日  千葉県教育委員会 市原市教育委員会