
笹川の神楽は、建久二年(一一九一)に千葉成胤が源家の武運長久を祈願して神楽を奉納したのが始まりと伝えています。その後、文政四年(一八一二)に女子が舞う「神子(みこ)」が加わり、同六年に それまでの十二面に四面を加え内容を豊かにしてきました。
神楽の内容は、「猿田彦命(さるたひこのみこと)」「三方荒神(さんぽうこうじん)」「天児屋根命(あめのこやねのみこと)・天太玉命(あめのふとだまのみこと)・乙女命(おとめのみこと)」「手力雄命(たぢからをのみこと)」「榊原之神(さかきばらのかみ)」「八幡大神(はちまんのおおかみ)」「宇受女命(うずめのみこと)」「蛭子神(ひるこのかみ)・お供(ほ)」「稲荷大神(いなりのおおかみ)・狐(きつね)・種子蒔神(たねまぎのかみ)」「受持神(うけもちのかみ)」「素戔鳴命命(すさのをのみこと)」などを伝え、女子の舞う「神子舞(みこまい)」が加わります。神子は大人の肩車で進むものです。笹川の神楽は、舞手・芸座・お能の三つから成り、芸座では大太鼓(おおど)・胴長太鼓(つけ)・横笛の楽器を用います。お能は、舞に合わせて謡を入れる役です。謡では、それぞれの神の由来・神威を語ります。
諏訪神社の祭礼日は毎年四月五日で、七つの地区が一年おきに当番となって神楽を演じています。

「房総の祭りと技」 千葉県文化財保護協会発行 平成六年四月二十八日