
武西では、毎月一日の月次(つきなみ)念仏、一月十六日の鉦(かね)起こし念仏、同二十日の寒(かん)念仏、二月十五日の天道(てんとう)念仏、三月彼岸中日の彼岸念仏、六月十日前後の虫送り念仏、八月十三日の棚念仏、九月十日前後の荒れ除け念仏、九月彼岸中日の彼岸念仏、十二月十六日の鉦伏せ念仏が行われています。念仏の会場は、主に旧薬師堂の青年館で、他に墓地・安養寺があります。
天道念仏の後に、「しょうねえ」と呼ばれる称念仏踊りがあります。仏壇の前で、鉦と太鼓を叩くホウガンが列座し、念仏を唱えた後に、ホウガンを中にした輪となって、「ナームアーミーダー」「ナームァー、アンアアァ」の念仏に合わせ、リズミカルな手踊りとなります。
六座念仏の名称は、農事暦に合わせ季節ごとに六回行われる故と地元では伝えます。こうした念仏は、関東地方に広く存在していましたが、今日でも継承している地域は数少なくなりました。

「房総の祭りと技」 千葉県文化財保護協会発行 平成六年四月二十八日