県指定無形民俗文化財(指定:昭和40.4.27)
  吉保八幡のやぶさめ(きっぽはちまんのやぶさめ)
鴨川市仲  長狭町やぶさめ保存会

 毎年九月二十八日に、吉保八幡社の祭礼で行われます。
 祭礼にかかわる役に、下乗り・弓取り・神役・弥宜(ねぎ)がいます。弥宜は、「週間前から精進潔斎をして祭りに臨みます。二十五日には馬揃え、当日には午前に朝祭りを行い、午後になって弥宜の家から神社まで練り歩き、神事の後にやぶさめが実施されます。祭りには、神輿八基、屋台五台、宮立(みやだち)と呼ばれる太鼓九基が登場し、盛大に賑わいます。
 馬場は、直線で約二百メートルあります。下乗りの試乗後に弥宜が乗って、駆け足の馬から、左手に約十五メートル離れた所に立てられた的をめがけて矢を射ます。的は三つ立てられてあり、合計九本の矢で三回ずつ射ます。
 一回目は、早稲の早・中・晩の矢とし、第二回目をなかて、第三回目を晩稲を意味します。この矢の命中度で、翌年の適種・豊凶を占います。的は後日虫よけの御利益があるとされます。


   「房総の祭りと技」 千葉県文化財保護協会発行 平成六年四月二十八日