県指定無形民俗文化財(指定:昭和)
 鰭ケ崎のオビシャ(ひれさきのおびしゃ)
流山市鰭ケ崎(雷神社)  おびしゃ行事保存会

 毎年一月二十日に、地区内の雷神社境内及び地区内で行われます。奈土のオビシャと同様に、年頭の行事ですが、新しい工夫を加えながら、古式を残す東葛飾地域の典型のオビシャといえます。
 約百戸の氏子から、地理的な家順に七戸ずつ年番が決められ、一番目の家がハナトの役を受け持ちます。前日は、年番の主婦が社務所でオコモリをします。
 当日午後から、神社で神事の後、赤鬼・青鬼を的にした歩射を行います。次に社務所で直会があり、そこでは地元の子供囃子が獅子舞や大黒舞・田吾作などを披露します。直会の後、車の上に、かつて神事にドブロクを造った際使用した道具一式をのせ、ハナトはじめ年番が七福神の扮装をして、次年度のハナトの家まで送り込みをします。送り込みの道中には、地区内の人へみかんを配ります。次年度のハナトの家では、目録・道具・装束を渡します。これを終えると、再び今年のハナトの家で酒盛りをします。


  「房総の祭りと技」 千葉県文化財保護協会発行 平成六年四月二十八日