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 | 序 當姉崎町ニハ元禄年間有名ノ義僕市兵衛アリ又文化年間ニハ孝子五郎アリ猶又天保年間ニハ當藩修来館ノ史記評林改訂等ノ名誉事蹟續出シタリ茲ニ於テ不肖右等事蹟ヲ後世ニ傳エテ永ク煙滅セラレン事ヲ憂ヒテ古記録ト共ニ一本ヲ編セントシ同族所蔵ノ記録及當町各奮家ノ古記録ヲ始メ各神社仏閣等ニ付テ数年間苦心経営捜引旁證頗ニ努メ古老諸賢多大ノ助言ヲ得テ漸ク茲ニ一本ヲナス特ニ本校ニ寄贈シテ有志ノ一覧ニ供ヘ聊カ教育上参考ニ資セントスルモノナリ然リト雖モ浅學寡聞ニシテ文意拙劣恐ラクハ誤謬遺脱少カラザルベシト信ズ謹テ来賢ノ補正ニ待ツ所アルベシ 語文ハ凡テ考證上古記其儘ヲ用ユ諸氏是ヲ諒セラルベシ 姉崎町姉崎 明治四十三年 齋藤 孝 七月 謹 織 |  目次 |
 | 姉崎村御地頭御代官年代記
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 | 姉崎大明神御寄進覺
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 | 姉崎村髙并天羽田新田共 検地致候年号不知但頼朝より廿弐代義澄公時代 天文十二癸卯年より以来ハ相分リ候 髙千六百拾石八斗一升五合 姉崎村 内四拾八石六斗七升六合弐夕 無地髙 寛文四辰年伊丹大隅守様検地 髙九十四石壱斗九合 天羽田新田 内七斗九升四合六夕 無地髙 □□髙千七百四石九斗二升五合 外 御定めに無之候得共前々より歩米附候 髙四斗八升 新屋舗三ヶ所 髙弐石壱斗 天羽田立帰リ髙 髙弐斗 卯新舗一ヶ所 宝暦九卯年より歩米附 髙一石三斗三升五合 右両名主給地 安永七戌年より歩米附 髙壱石六斗五升九合七夕 仲町川岸新発 天明八申年歩米附 髙壱石三斗三升五合八夕 右仝所新発 寛政弐年戌年歩米附 髙壱斗三升 右仝所新発 都合髙千七百拾弐石壱斗六升壱合 内 四拾八石六斗七升六合弐夕 本村無地髙 拾壱石壱斗八合 定使両人引髙地髙 八反分荒間地髙 五石弐斗二升一合七夕 村持髙引地髙 七斗九升四合六夕 天羽田村無地髙 四日小以髙六拾五石八斗五夕 残髙千六百四拾六石三斗六升五夕 比 譯 石盛 上田七町四反弐拾四歩 十五 比歩米百拾壱石壱斗二升 内 七畝十七歩 木障引 同 中田三拾弐町弐反四畝壱歩 十弐 比歩米三百八拾六石八斗八升四合 内 壱畝十弐歩 木障引 三畝七歩 永荒 同 下田百五町弐反十六歩 六半 比歩米六百八十三石八斗壱升四合七夕 内 四畝拾弐歩 木障引 三反弐畝十五歩 永荒 同 新下田三町弐反壱畝弐弐歩 右仝断 比歩米弐拾石九斗壱升二合七夕 内 壱反五畝廿八歩 永荒 六畝拾歩 未年より當荒 同 下々田壱町六反四畝弐十歩 右仝断 比歩米拾石七斗三合三夕 内 弐反三畝七歩 永荒 五反八畝七歩 未年会津より入當荒 三畝弐歩 右仝年當荒 仲町川岸新発三ヶ所 同 田四反八畝弐歩半 右仝断 比歩米三石壱斗二升四合 同 上畑弐町三反弐拾壱歩 九 比歩米弐拾石七斗六升三合 同 中畑八町六反五畝弐拾七歩 六 比歩米五拾壱石九斗五升四合 内 壱畝弐廿三歩 永荒 石盛 下畑六拾五町弐反九歩 三 比歩米百九拾五石六斗九合 内 弐反七畝廿六歩 永荒 同 新下畑三反六畝弐歩 右仝断 比歩米九斗九升弐合 同 座敷七町九反三畝拾歩 十 比歩米七拾九石三斗六升三合三夕 内 弐拾七歩 永荒 同 新座敷四ヶ所 同六畝弐拾四歩 右仝断 比歩米六斗八升 田方永荒當荒 計壱町四反弐畝拾六歩 同木障引 計弐反弐畝拾壱歩 座畑敷并永荒 計三反拾六歩 寛政十午年より戌年迄５ヶ年間 御定め御□箇 但当村ハ古来より □□ニテ御座候 上田五斗弐升五合七夕 但一反に付 中田四斗七升四合弐夕 但同 断 下田四斗弐升四合六夕五方 但同 断 新下田三斗九升四合ニ夕 但同 断 下々田三斗五升三合八夕 但同 断 新発 見□ 畑永々定め 上畑 永八拾七文 但一反ニ付 中畑 同七拾七文 但仝 断 下畑 同六拾七文六分 但仝 断 新下畑 同四拾八文 但仝 断 屋舖 同百五文 但仝 断 葭谷 同四拾五文 但仝 断 天羽田新田 寛文四辰年七月廿八日髙入 伊丹大隅守様検地被成候 髙九拾四石一斗九合 天羽田新田 内 七斗九升>四合六夕 無地髙 比訳 石盛 上田弐町四反九畝弐拾八歩 十 壱 比歩米弐拾七石四斗九升弐合七夕 中田弐町弐反八畝拾六ト 八 比歩米拾八石二斗八升ニ合七夕 下田七反拾五歩 五 比歩米弐拾三石五斗二升五合 上畑壱町弐反壱畝弐拾四歩 六 比歩米七石三斗八合 中田壱町二反二畝廿八歩 四 比歩米四石九斗壱升七合三夕 下畑弐町九反三畝拾弐歩 三 比歩米八石八斗弐合 屋敷弐反九畝廿六歩 十 比歩米弐石九斗八升六合七夕 新田立帰リ歩 比歩米弐石壱斗 是は御免状髙ニハ無之候 髙合髙九拾六石弐斗九升 内 七斗九升四合六夕 無地髙 引 残髙九拾五石四斗壱升四合四夕 寛政十午年より戌年迄五ヶ年 村仝様天羽田新田 御定め御□箇 上田 四斗壱升五合九夕 但壱反ニ付 十 壱 中田 三斗壱升三合七夕 但仝 断 下田 弐斗壱升壱合六夕 但仝 断 畑 永々定め 上畑 永六拾三文四分夕 但壱反ニ付 中畑 同四拾弐文 但仝 断 下畑 同参拾壱文七分 但仝 断 見取畑同拾六文 但仝 断 屋敷 同百五文 但仝 断 右天羽新田ハ寛文四甲辰年七月廿八日髙入 寛政十午年迄百三拾六年ニ成 家数四百壱軒 姉崎村 天羽田新田 妙経寺門前共 但門前三拾四軒 寛政十午年 人数合千七百廿九人内 男八百八拾八人 女八百四拾一人 當村より 市川通り 江戸? 陸路 拾六里 海上凡拾 里 行徳通り 陸路 拾三里 農業之外商内并山稼□仕候 永七貫三百文 小物成納 比訳 永五百七拾九文 山谷萓葭残 永弐貫七百文 舩 役 永 同弐百五拾文 長 縄 永 同五百 文 天羽田居山永 同三百 文 西 野 永 同壱貫弐拾壱文五分 大河岸葭谷永 同壱貫五百拾四文九分 海辺葭谷永 同五百文 浦 役 永 小以七貫三百六拾五文四卜 比処を御公儀御役人江書上ニハ七貫三百文 小物成 と書上仕候 魚漁仕候但漁舩七艘御座候 右船役永小物成内 秣場有之役永小物成内 秣：まぐさ 海辺葭谷永小物成内 御普請所無御座候 溜井壱ヶ所并右箱樋弐ケ所 地所普請所 川堰さらい弐ケ所 往還用水溝箱樋十三ヶ所 御林無御座候 當村臺ニて一箇所 七町六反四畝五歩 地頭林 内壱町五畝五歩 享保弐酉年 但永納 河野松庵様元引之節 百姓持に被仰付候 天羽田ニテ弐ヶ所 弐拾四町七反六畝弐十歩 内五町三反五畝十壱歩 右同年御同人より 右同断被仰付候 外ニ 百姓持林 拾町五反六畝拾弐歩 永 納 地 但数ヶ所 古城跡無御座候 陣屋地跡 壱町三反六畝歩 内 壱反五歩 當村役地所 残壱町弐反壱畝歩百姓請納地畑ニ成 比訳 元禄拾弐卯年御代官古川武兵衛様 宝永弐酉年 御代官樋口又兵衛様 右両度ニ御拂被仰付夫より百姓持ニ罷成候 廻 船 但五太力拾艘 弐百俵積 押送 弐艘 大舩入舩掛リニ相成候 場所無御座候 五太力掛リ場迄八町程深サ干潟限八尺程海岸 弐尺程砂濱ニテ御座候 往還通弐拾三町程 但椎津村境橋より 白塚村橋際? 海辺通千七拾五間 但今津境杭より 椎津村境杭? 海辺干潟 磯端より 拾弐町位 当村ニて壱ヶ年ニ四度市立候 但 七月 八日 本町市 同十三日 仲町市 十二月廿三日 本町市 同廿八日 仲町市 御傳馬継立場ニて定助大助場ニ御座候 献上物無御座候 秣場 西野凡拾四町歩程 但永納場 是は本村并天羽田新田共入會ニ草刈申候 | 目次 |
 | 村方用水御地頭普請 字本堰 竪 拾間 但 横 四間 高サ二間 川堰 右 諸入用左之通 押木但松木五本 但 長六間 四尺五寸廻リ 鎧木二百九十束 但 八九寸廻り杉又ハ松 一束三尺結縄 松杭木九拾本 但 長六尺より七尺? 太サ壱尺三四寸 小から竹七尺弐拾本 但 二寸五分より三寸廻リ 是はあらいニ成 から竹拾五本 但 七寸廻リ 是はいの目竹に成ル 右入用之品々御領主より被下是?普請致来候尤 百姓透を見合入用之品御地頭より被下置百姓自 普請ニ致候是は本堰壱ヶ所の入用古来は本堰 あらい弐ケ所也 右川堰室歴以前之弐口ニ洗を付水を落候得共 却て不宜致ニ御地頭所ニて被営夫より洗壱口 ニ相成候 長六間 横五間 壱ヶ所 古来は 長六間 横四間半 壱ヶ所 享保弐酉年 御代官朝倉半九郎様御普請仰付られ候 元文五申年 水野壱岐守様より御普請被仰付候 宝暦弐申年 右御領主様より御修覆被仰付候 明和三戌年 右御領主様より御普請被仰付候 寛政五丑年 七月上旬大雨ニ而万水致右川堰洗破損致然 処専用水差支候ニ付北條御役所江願上候而ハ 日数相掛リ候義ニ付比節百姓入用差出し 自普請ニ致候 右本堰享保以前之義不知相勿論右川堰之義は 天文年中頼朝公弐拾弐代義澄公天下之節御代官 大久保重兵衛殿御見立被成候 前書諸入用積書は明和三戌年入用を記其時々ニ より諸入用積増減可有之事ニ候 塊 右普請之節自古来土并塊等椎津地面ニて取来候 右之代竹樋弐本椎津村字七反江遣す猶又 右土ニ年々年貢椎津村名主江納比節右田地 用水町宇右エ門所持ニ御座候得共比儀不分明也 寛政十午年 寛政十一未年 右御領主様より御普請被仰付候 | |
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字かうとう水 用水堰板洗 但 竪四間 横八尺五寸 右堰諸品入用左之通 戸前板 幅壱尺 板 板 八枚 但 厚弐寸 長八尺五寸 代銀四拾匁八分 但 壱枚銀五文匁壱分ツゝ 流板并両袖板 同 板 十五枚 但 幅一尺 厚一寸五分 長四間 代銀百八拾匁 但 壱枚拾弐匁ツゝ 水際板 同 板 十二枚 但 幅一尺 厚一寸 長弐間 代銀四拾八匁 但 壱枚銀四匁ツゝ 品板 同 板 五十四枚 但 幅一尺 厚一寸 長五尺 代銀八拾壱匁 但 壱枚壱匁五分ツゝ 品并瓶張板 同 板 三十枚 但 幅壱尺 厚壱寸 長四尺 代銀三拾六匁 但 壱枚銀壱匁弐分ツゝ 瓶張板 同 板 十二枚 但 幅一尺 厚一寸 長三尺五寸 代銀拾二匁六分 但 壱枚銀壱匁五厘ツゝ 押木 松八寸角 五本 但 長二間 代銀五十目 但 壱本銀拾匁ツゝ 瓶張板 杉六寸角 三本 但 長二間 代銀拾五匁 但 壱本五匁 戸前鳥居木 同六寸角 壱本 但 長五壱丈 代銀四匁 右同断 同六寸角 弐本 但 長七尺 代銀五匁六分 但 壱本銀二匁四分ツゝ 右同断 同六寸角 壱本 但 長四尺五寸 代銀壱匁ツゝ 立ツ引 松三尺廻リ 弐本 但 長四間壱尺 代銀弐拾匁 但 壱本銀拾匁ツゝ 梁 杉弐尺廻リ 拾本 但 長弐間半 代銀弐拾五匁 但 壱本銀弐匁五分ツゝ 右同断 同弐尺廻リ 三本 但 長九尺 代銀三匁六分 但 壱本銀壱匁弐分ツゝ 同杭木 五拾本 但 一尺二寸廻リ 長一丈 代銀弐拾五匁 但 壱本五分ツゝ 松鎧木 五百本 但 七八寸廻リ 長九尺 代價七拾五匁 但 壱本壱分五厘ツゝ 釘中結五百目 三百五拾本 代銀弐拾八匁 但 百本銀八匁ツゝ 同三百目 三百本 代銀拾五匁 但 百本五匁ツゝ 大工木挽手間 弐拾人 賃銀 六拾匁 但 一人手間扶持 銀三匁ツゝ 計 銀七百弐拾六匁四分 右入用銀地頭所より被下百姓農業之透を見合 百姓自普請ニ致来候 享保六丑年 御代官野田三郎左エ門様御普請被仰付候 宝暦八寅年 水野壱岐守様より御普請被仰付候 寛政九巳年 右御領主様より御普請被仰付候 右かうとう水享保以前の儀不相知勿論川堰之 儀ハ天文年中溝を細ク付用水ニ見立右溝細ク 用水流不足ニ付迎田村御地頭所江伊丹大隅守 様より御掛合有之溝巾壱間ニ致其後用水ニ相成 尤頃から明暦万治年中之頃 右かうとう水普請之節材□并塊置場芝地川際ニ 有之 但八九畝歩程 かうとう水普請之節土取場かうとう水溝し上ニ 凡壱反八畝歩程之場細永ク迎田境? 右板洗小破之節も百姓自普請ニ致繕等致置候 前書諸入用積書は寛政九巳年入用を記其時々 ニ寄諸入用積増減可有之□ 文化九申年 右御領主様より御普請被仰付候 字むぐら堰 臺溜井 但 廣サ凡五町歩程 右用水ニ而田方弐拾九町歩余用水掛リ候 溜井堤 但 長百拾間 馬踏四間 高九尺 鋪七間 同 堤 但 長百拾九間 馬踏九尺 高七尺 鋪四間 右溜井古来は堤弐ヶ所 近来は堤壱ヶ所ニ成ル 右溜井堤并砂浚等前々より御入用被下置御普請 被仰付候宝永五子年御代官樋口又兵衛様後入用 被下置右溜井砂浚堤繕等御普請被仰付候其 以後溜井浚之儀御領主江御願不仕宝永五子年より 寛政六寅年?八拾八年之間御普請等不仰付 右溜井埋候ニ付宝暦明和之頃より自普請ニ砂浚 等致候得共五町歩程之溜井ニ候得ハ中々自普請ニ 難出来其侭捨置以然處寛政六寅年右溜井浚御手當 金願上候處御聞済被成 御手當金并足堅メ板木等 左之通被下置候 | |
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溜井浚 寛政六寅年 浚御手當金拾五両并 足堅板 百枚 但 幅九寸より尺 是ハ浚候土を揚け 厚二寸五分 □人足□歩行板なり 右板代木御林ニ而松木弐拾本 但目通り三尺六寸廻り 被下置寅年凡町歩程深サ弐尺五寸程ツゝニ浚申候 翌卯年 御手當金拾五両被下置去寅年之通浚申候處 猶亦一町歩程浚其後御手當金不被下置候間寅 卯両年ニ弐町歩程之場所浚申候 御領主水野壱岐守様より御普請被仰付候 右溜井東箱樋長七間半 但 内法壱尺五寸四方 板厚弐寸八分 比御入用松木十五本 但 目通り四尺廻リ 右同所西箱樋長七間 但 内法壱尺五寸四方 板厚弐寸八分 比御入用松木十四本 但 目通り四尺廻リ 金八両弐分銀十三匁三分 比 譯 根伐くる伐共 銀拾匁五分 松木弐拾九本 杣賃銀但七人 壱人ニ付手間扶持共 一匁五分ツゝ 金壱両弐分 木挽四十人 但 壱人ニ付手間扶持共 銀二匁四分ツゝ 銀六匁 金弐両 大工五十一人 但 壱人ニ付手間扶持共 銀弐匁四分 銀二匁四分ツゝ 金三両 釘数七百二十本 但壱本目方十九匁ツゝ 比鉄貫目十三貫六百八十目 銀弐匁四分 但金壱両ニ付四貫五百目替 金壱両 檜葉木 九寸角 銀四匁 長弐間 壱挺 是ハ樋之口戸前道具ニ成 金三匁 同 八寸角 銀三匁 長二間 壱挺 右同断 右之通御入用松木并金子被下置御普請被仰付候 寛政七卯年 右箱樋 宝永五子年 御代官樋口又兵衛様より御入用被下置御普請 被仰付候 元文弐巳年 水野壱岐守様より御入用被下置御普請被仰付候 明和七寅年 右御領主様より御入用被下置御普請被仰付候 寛政七卯年 右御領主様より御入用被下置御普請被仰付候 前書諸入用積書ハ寛政七卯年入用を記其時々ニより 諸入積増減可有之□ | |
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往還通リ 箱樋拾三ヶ所 前々より御普請所 内 六ヶ所 但 壱ヶ所長三間内法一尺四寸四方 五ケ所長弐間半内法八寸四方 右板厚二寸八分ツゝ 右天明八申年 松木拾三本 但目通リ三尺五六寸廻リ 右松木被下置御普請被仰付候 壱ヶ所長三間内法 一尺四寸四方 六ヶ所長弐間半内法八寸四方 右板厚二寸八分ツゝ 寛政六寅年 松木拾五本 但目通リ三尺五六寸廻リ 右松木被下置御普請被仰付候 壱ヶ所長三間塩辛箱樋 内法壱尺四寸四方 弐ヶ所長二間半 但高田一ヶ所 内法八寸四方 芝田一ヶ所 享和元酉年 比御入用金三両銀二分 右入用金被下置候 御普請所之内 三ヶ所 但 長二間板厚サ二寸五分 内法九寸四方位 右者横地前よりいさこ?之内右三ヶ所 文化弐丑年七月自普請ニ致候 右自普請ニ致候譯ハ 房州長狭郡東條村相領之者共但東條東村西村 廣場村右三ヶ所村百姓等年貢難船并米ニ□ 寄□黨いたし御領主江願出其上 御公儀江欠込訴訟致候処江戸御座敷江御引渡ニ 成夫より右一件之者共房州御陣屋ニて追々 御吟味ニ付殊ニ趣意甚タ六ヶ鋪江戸御元一様并 御吟味役小原順平様其外御役人方御出被成 右御吟味最中ニ付右箱樋相□依之自普請ニ致 翌寅夏中房州御代官岡田助左エ門様御出被成候間 比度ハ自普請ニ御願申上置候 村用水掛リ場 川堰之水を以 凡九拾町歩程 臺溜井むくら堰右溜井の水を以 凡弐拾九町歩餘 天水場 凡三拾町歩餘 當村椎津境川 但 砂ニ而幅五間程 右川當村用水之末之魚猟なし 古来は歩行渡り 渡し舩無御座候 小橋五ヶ所御座候村入用を以普請仕候 当村椎津境橋 比橋姉崎椎津両村入用を以掛ケ来 候比橋近来之事也古来ハ歩行渡り之川之川幅 五間橋長サ七間程 池沼無御座候 御年貢運賃 古来より百俵ニ付三俵之運賃 内 壱俵壱分 御公儀より被下置 弐俵九分 百姓共より差出ス 寛延年より 百俵ニ付弐俵弐分之運賃 内 壱俵壱分 御地頭しょより被下置 壱俵壱分 百姓方より差出ス 土ハ本田ハ砂地勝チ新田ハ野土勝チニ而御座候 暑寒は江戸仝様ニ御座候 名高キ山無御座候 御殿跡無御座候 高札場壱ケ所并天羽田新田ニ壱ケ所 牢屋敷無御座候 主孝之百姓市兵衛と申もの元録之頃有之候 百姓屋敷除地無御座候 當村傍示杭比度新規 但 檜葉木 七寸角 長一丈四尺 従是内口附之者馬乗不可通 右傍示杭御領主江御願申上候處 御公儀御窺之上寛政十午年十月被仰付候尤傍示 杭ニ又 御公儀御差圖通リニ認候 御勘定御奉行根岸肥前守様江御領主より御窺被成候 右傍示杭御入用御領主水野壱岐守様より被下候 但檜葉角三本ニ而金壱両弐分七歩五厘深川より 築地?艀下賃銀弐匁 大工手間三人銀七匁七分 但扶持方共 計金壱両弐分 銀拾問四歩五厘 天羽田西御林ニ而 比代木 松木五本 但 四尺廻より五尺廻? 右代木御願申上候處願通被下置候 寛政十一未年正月 | 目次 |
 | 姉崎村并 天羽田新田 御除地 寛正元年之開基 日蓮宗一乗山妙經寺 寛正以前ハ真言宗ニ而御座候 尤其開基相分不申候 御朱印 髙拾石 但寺内不入 寺内塔中拾坊 泉乗坊 浄如坊 正用坊 戒行坊 一乗坊 常教坊 泉光坊 見如坊 浄泉坊 本寿坊 境内四町壱畝八歩程 但門前家並共 日蓮宗宝珠山海蔵寺 臺 御除地 境内坪数相なり不申候凡壱反五畝歩程 右同宗臺栄山圓能寺 臺 御除地 境内八畝拾六歩 右同宗慶傅山長遠寺 新町 御除地 寛永年間ノ開基 境内九畝歩 開山日長上人 右同宗妙遠山安誠寺 天羽田新田 御除地 髙三石壱斗五升三合 右寛文四年伊丹大隈守様御寄附被成候 寺内坪数不相分 浄土宗無量山最頂寺 川崎 御除地 境内八反五畝歩 姉崎神社 神主駿河守海上氏 御除地 髙三拾五石 元和四年十一月松平出羽守様御寄附 鬼子母神 臺 御除地 天神 臺 御除地 第六天 臺下 御除地 神明 臺 御除地 稲荷 川崎 御除地 天照大神 天羽田新田 御除地 白幡明神 姉崎新田 御除地 日蓮宗真如坊 小松原新田 御除地 | 目次 |
 | 御巡見様御届 延宝九辛酉年七月十八日 延宝以前御巡見相分リ不申候 御名前不分 宝永七寅年七月四日 角南 圭馬 様 永田 弥左エ門様 本田 清兵衛 様 享保 十二月廿四日 荒川 内記 様 冨永 弥右エ門様 御手洗 新太郎様 延享元申年十二月十四日 松平 新八郎 様 天野 傅五郎 様 防陬 右近 様 宝暦十辰年十二月廿四日 板橋 与五左エ門様 三上 与九郎 様 長谷川 藤右エ門様 天明八申年七月廿七日 倉橋 長右エ門様 三田 権之助 様 内藤 平八郎 様 | 目次 |
 | 組合村 當五郷髙并 弐拾五卿髙 姉崎五卿 姉崎 千六百五拾七石八斗餘 椎津 六百六石五斗四升 不入斗 九百石壱斗九升 白塚 四百七拾壱石八斗五升 今津 三百三拾壱石四斗一升 計髙 三千九百六十七石七斗九升 内千石姉崎髙引 是は御先觸無之御通之節人足差出候 人足差出候用意分之 海保五卿 海保 八百弐拾五石六斗三升 町田 弐百八拾弐石八斗九升 野毛 百拾弐石弐斗九升 畑木 弐百四十九石九斗九升 廿五里 四百四十五石六斗三升 豊成 百四十七石三斗 立野 五拾壱石七斗壱升 髙計 弐千七拾石四斗四升 内七百弐拾八石五斗二升可引 是ハ町田廿五里両村川越髙ニ引 残髙千三百四拾壱石九斗弐升 海保五卿人馬勤髙 今富五卿 今富 五百石 宮原 四百八拾八石六斗三升 西野 百八拾四石八斗二升 引田 百六十四石三斗八升 神代 百〇三石 柳原・小折 百拾六石 髙計千五百五十六石八斗三升 今富村通リ武家方御通リ有の由ニテ引 新生五卿 新生 弐百七石九斗八升 権現堂 百六拾石弐斗 浅井・小向 弐百弐拾八石壱斗七升 分目 百五十石弐斗 糸久 百三十七石三斗 十五沢 百六十六石 髙計千四拾九石六斗七升 嶋野五卿 嶋野 四百弐拾弐石四斗 入沼 九拾七石三斗壱升 出津 百八拾三石三斗三升 松ケ嶋 百弐拾三石弐斗三升 青柳 九拾七石三斗壱升 髙計八百石 五井川 川越髙引 外 寛延元辰年新発 髙五拾石 玉崎新田髙入 天明弐寅年十二月髙入 残髙四百拾三石四斗六升 人馬勤髙 弐拾五卿 惣高計九千八百五十八石壱斗九升 内 四千拾五石三斗五升 用意人足并川越髙等ニ引 引計髙五千七百七拾弐石八斗四升 人馬勤髙 割合銭等ハ本髙ニ而出ス | 目次 |
 | 御定之賃人馬 但何ツ之頃より御定ニ候や相分リふ申候 奈良輪村江 道法弐里餘 三拾九文 人足 七拾八文 本馬 六拾八文 半馬 五拾八文 尻 并飯富 神納 新田 三ツ作 野里 上和泉 下和泉 小曽根 勝 高根 野田 永吉 右村々奈良輪同様之賃銭 真里村江 道法三里半餘 七拾弐文 人足 百四拾八文 本馬 百参拾弐文 半馬 百弐拾四文 尻 并高谷 三ヶ村 右村々真里村同様之賃銭 五井村江 道法壱里半 弐拾八文 人足 五拾六文 本馬 四拾五文 半馬 三拾九文 尻 宮原村并海保村 道法一里 弐拾文 人足 四拾文 本馬 三拾ニ文 尻 町田村江 道法一里餘 弐拾四文 人足 四拾八文 本馬 三拾四文 尻 今津村江 道法弐拾町餘 拾弐文 人足 弐拾四文 本馬 拾八文 尻 二階堂村江 道法四里餘 八拾文 人足 百六十四文 本馬 百三十二文 尻 有吉村江 道法弐里半餘 四拾九文 人足 百弐文 本馬 七拾四文 尻 以上寛政十一未年正月?ノ記録ニヨル | 目次 |
| 年中行事 | ||
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| 明治拾年三月 比の月 斎藤孝 出生 御由緒記 | ||
 | 姉崎神社 当社是人皇十二代 景行天皇の四十年十一月 日本武尊東夷征伐の御時風神級長戸辺命を 御祈在せられし旧跡にしてこゝらの御代を経て 陽成天皇の元慶元年六月神位昇進勳五等姉崎 神社と官社につらなる官幣をささげ 同年雨祈の 勅願ありて同八月又々神位昇進ありし事 三代 実録類聚国史等にもしるされたり延喜式神 名帳などにも代々の国司是を祭るよし 朱雀 天皇の御代下総国相馬郡平将門反逆の節朝敵追 討の勅願ありて天慶二年三月勅使御下向御剣 奉納あり今神殿に安置せり治承四年八月右大将 頼朝卿安房国へ御差舩夫より上総へわたさせ給ひて 当社へ御参詣御武運を御祈あり九月九日花表(とりい)先 にて御馬ならし有しより祭日流鏑馬の式今に残 れり殊に当社はもろもろの病ひ久敷癒難きは人々いのりて 其験を得る事すくなからず右大将家深く尊信し 給ふあまりに実朝公疱瘡なやませられし折しも 祈祷奉りて御平癒なりしより神官藤原兼祐 を鎌倉へ召れ靍ケ岡八幡宮の神人に補せられ 年々参勤祈祷奉りしとなり氏子等赤もがさ 時行しおりは此神に称（とうと）き事立其難をのがれ或は 軽くあるははじめ重かりしもとみに軽くなりて命つつ がなかりしより遠き里の人などは此神を痘の神の ごとく心得ぬるもむべなり昔より此里の氏子等は 女子は二七の年男子は二八の年を過ぬれば一生もがさの 病ひを患ふる事なし是万人の知る所なり故に神 官等日々天下泰平五穀成就の祈祷丹誠を抽（ぬきんでて） 勤仕奉る事今に怠る事なし 明和二年七月 上総市原郡姉崎 神主 海上駿河介實舊 花押 | 目次 |
 | 姉崎町長遠寺 本山京都 妙満寺 讀經日蓮大菩薩略縁起 仰當山安置ノ本尊ハ文永年中中老日法上人ノ御作 ニシテ宗祖自開眼ノ霊像ナリ 人皇百七代後陽成 院ノ御宇文禄年中當國望陀郡ノ國主相州北條氏ノ 家臣七手組ノ大将武蔵國ノ住人平山蔵人頭祖先ノ 中老日法上人ヨリ授ケラレシ霊像ニシテ霊験ノア ラタナルニ感應シテ数代信恭浅カラス□時豊臣氏 軍盛ンニシテ相州小田原城落城ノ後蔵人頭夫婦ハ 當國蔵波代宿ニ隠偶閑居ノ身トナリ尊像ニ仕ヘ奉 リテ至誠恭敬シテ星霜ヲ送リシガ毎々村人ニ語リ テ曰ク比尊像常ニ夜ノ五更ニ至リ四隣スベテ人音 ヲ絶ヘテ物静カナル時ハ幽カニ微妙ノ御聲ヲ以テ 御經讀誦アラセ給フト是我家重代秘蔵信仰ノ尊像 ニシテ霊験ノ感應スル事不思議ナリ我等死シテ猶 ホ比尊像ニ仕ヘ奉ラント誓ヒテ夫婦ノ像を造リテ 尊像ノ左右ニ侍セシムルトカヤ其後ニ至リ斯ル尊 キ霊像ノ空シク俗家ニアルヲ惜ミテ寛永年中「注 當山ヲ開山シ」日長上人随喜ノ餘リ當山ニ迎ヒ奉 リテ宗祖真作開運大黒天ト併置シテ一宇を建立セ ントシテ比処ニ来ルニ目前ノ大銀杏樹ヨリ不思議 ノ光明を発ス是誠ニ一乗ノ法運ヲ開カンズル時既 ニ至レリトシテ土木ノ功ヲ竣ヘ名ケテ慶傳山長遠 寺ト号ス今モ猶境内ニ星降リノ銀杏樹トシテ現存 ス其後寳永年間富士山破裂シ日本國中大地震大飢 饉ノ時比尊像讀經ノ御声聞エ近隣ノ老若男女ヲ感 動シ給フ爾来人呼ンテ讀經ノ祖師ト云フ又或時比 尊像ヲ盗賊来リテ奪去リシニ終夜盗家鳴動シテ寝 ル事能ハス盗人驚怖シ再ヒ本堂ニ持来ルト云フ不 思議ノ霊像ナリ依テ廣ク四方ノ真俗ニ告ゲテ利益 ニ浴セシメントスルモノナリ略シテ縁起トナス 毎月十二日縁日 宗祖御真作 開運大黒天 併置 縁日毎甲子の日 寛政八年春日 慶傳山 時代 日寧 明治四十四年四月十日夜椎津村ヨリ出火ノ際 本堂庫裏鐘楼山門共焼失 注 平山蔵人頭ハ後ニ日長ト改メ長遠寺ヲ開山シタル 事ヲ発見ス依テ比所誤謬ヲ訂正ス | 目次 |
 | 姉崎町姉崎字新田 瓢塚ノ記 右ハ明治四十四年十月中宮内庁ヨリノ調査ノ結果 天穂日命八世孫 忍立化多比命 御墳墓タル事ヲ発見シタリ 附記 當國ハ昔海上國海上郡ト称す稱シテ 國造本紀ニヨレバ同命ノ領セシ處ナリト云フ 近傍、行傳塚、居合塚、其他七八個所アリ 是皆臣下ノ墳栄塋ナリト云フ | 目次 |
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 | 名誉三事跡 元禄年間 義僕市兵衛記 文久 天保年間 史記評林改訂 文化年間 孝子五郎 | 目次 |
 | 義僕市兵衛記 昔元禄年間當姉崎町ニ三拾六ケ村ノ親村総代名主トシテ 内手次郎兵衛（姓 齋藤氏）ナルモノアリ當村字亀ヶ崎 ニ住居シ農事ノ傍ラ商業ヲモ手廣クシ雇人モ澤山使用シ 来リシ舊家ナリシガ當時同家ニ下男市兵衛トテ年久シク 仕ヘ来リテ忠勤無二ナリシ者アリ國乱レテ忠臣著ラハルゝ ノ諺ニ背カス元禄八年ニ至リ姉崎在深城村ニ農夫惣兵衛 ナルモノアリ村中ニ於テ或日早朝曽テ公儀ヨリ野猪ヲ逐フ 為メ御預ノ鐵炮ヲ以テ竹林中ニ同村農女お竹ナルモノヲ猪 ト見誤リテ銃殺ス茲ニ於テ双方親戚ノ者等談合ノ上死者方ヘ ハ金品等を送リテ事ヲ示談内済ニ了ス然ルニ其後ニ至リ 遂ニ公廰ノ知る所トナリ姉崎村惣名主前記齋藤次郎兵衛外 隣村名主等四名事ニ不預ト雖モ罪アリトナシ其田宅ヲ官没シ 其身ハ伊豆國大島ニ流刑トナス茲ニ於て下僕市兵衛（姓 齋藤）ハ主人次郎兵衛妻苦憂ノ餘リ女児ヲ産シテ死ス次郎 兵衛父、得入、年八十余歳長女及萬五郎及乳児ト老若四名 ヲ引取リ赤貧洗フガ如ク市兵衛妻子ヲ奉公ニ山シ得ル 所ノ給料ヲ以テ衣食ヲ補シ困難艱難家ヲ忘レ身ヲ忘レ撫育 拾有餘年数々官ニ訴テ旧主ノ特赦ヲ請フテ止マズ遂ニ死ヲ 以テ主ニ換ラントスルノ義心遂ニ公廰ヲ感動シ 拾有壱年ニシテ一同赦免セラレ官其忠誠ニ感シ 官没ノ田宅ヲ賜市兵衛ニ市兵衛辞シテ主息萬五郎 ニ賜ハラン事ヲ請フ官又是ヲ許ス斯ル下僕ニシテ 志ヤ能ク人臣ノ本分ヲ盡シ精神一到忠誠其本懐ヲ 達シタルハ實ニ感涙ニ餘アリト云フベシ其後ニ至リ 赤穂義士元禄快挙以後上總國義僕市兵衛記ト稱シテ 遍ク天下ヲ聲動シ荻生徂来、林大學頭、両大家ヲ 始メ俳人其角等有ラユル諸大家ハ是ヲ賞讃シ皆詩歌 撰文ヲ寄セラレ弘ク歌舞音曲講談演説等津々浦々至 ル所聞カザルハナキ一大事蹟ハ即チ當姉崎町ノ出来 事ニシテ曽テ當地ニ於テ前代未聞ノ快事タリ斯ル 一下僕ノ行為能ク満天下ヲ感動セシメテ當村ニ其 名誉ヲ残シタルハ我々町民ノ記念トシテ永ク後世ニ 傳ヘテ忘ルベカラザル事タリ 猶詳細ハ両大先生ノ御撰文ニアレバ茲ニ略スト爾去 | |
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起きてきけ 比ほととぎす 市兵衛記 記義僕市兵衛事 寛永乙酉春三月有司奉旨以流人上 總州市原縣姉崎邨次郎兵衛之田宅没 在官者五町七段還卑其子萬五郎以邨 之無主田六町授其奴市兵衛以賞市兵 衛也初次郎兵衛為邨之里正元禄乙亥 同甲惣兵衛放縦駆野豕於人家竹林之 中誤中人之妻而斃歳時猛獣在田官授 民以鳥銃里銃丁幾名銃幾門籍其戸假 其器唯火硝薬勿用鉛石任其駆逐不得 壇殺著在令甲齋民遵守皆所以防亂源 廣慈恵也而惣兵衛之銃有子處斬治郎 兵衛身為里正不以聞事覺猶為弗知流 干豆州之大島其田宅皆没入 官次郎 兵衛父老且羸子二女六歳男三歳既行 其妻方産頗難生女而死奴市兵衛寘諸 懐抱中遍丐於里之有乳者之親戚弗顧 三口者煢然無所依兒女呱々啼弗己市 兵衛興其妻謀所以養之售己之女為人 之婢直若干興其佃人田所受者若干獲 中金八両悉出買一小廛比處次郎兵衛 之父興子女者奉而事之若其主在日益 佃宅人田以?其升合之羸而□褐之供 四口者於是乎無飢寒之患焉市兵衛猶 恐妻之或育而朝夕之弗給也遂不興倶 同牀蓐者十有一年余次郎兵衛就罪之 日市兵衛業己詣東都俯伏 官廰請以 身代其主之罪姉崎去東都二百来里往 還三日程而市兵衛来請若初者月必一 二次弗輟弗措亦十有一年余都下店主 人稍知其所為遂弗興擧等云鳴呼細民 多口而無田番取米監麻布之入手己筋 骨之力惟日弗給亦己勤余而年必虚六 七十之日而取償于他日之勤余其困苦 之所倍何如哉且夫官家之祖不薄田主 之税愈刻凡為佃客者藜□弗粒襤縷露 肩居則苫藁為坐動則犁钁之従炎畦雪 蓑晨宵綯歳無虚日不虚刻而其可以 展布四肢而償一日之勞者唯在夢寐半 枕之餘耳大抵人世之所悦曼聲美色芬芳 甘旨興其風流繁華之娯従容逸豫之楽 悉付諸他生天堂之受而其可以暢舒精 神而取半?之快者唯在伉儷一床之上 耳故諺曰耕夫興耕馬伍而市兵衛十一 年之苦心比其情之最為可憐者乎是歳 二月某日市兵衛又来訴于官者如初而 自矢弗虚還史訊其由次郎兵衛之父今 年八十三患風三歳弗差起臥手足莫己 聴且莫則曰願一獲見次郎兵衛則死無 憾矣其哀?弗忍聴也且三子者益長愈 慕日夜悲泣是烏可忍視耶小人無状吉 愬弗勤以貽斯?故敢特冐宮威懇請 ?赦次郎兵衛之罪放還以獲興老父訣 則小人壇訴之罪身首殊處亦所不辭也 辭色哀惻聳動 官廰旁訊縣里情實弗 爽事遂聞下之閣老僉議以為次郎兵衛 罪在不赦而市兵衛忠且誠是可嘉其以 其主之田宅賜之市兵衛 教曰可有司 傳 旨市兵衛不肖奉命乃曰始之為主 卒之為己小人義不敢奉命願賜舊主之 子萬五郎事再聞遂有今命 物茂卿織 林大學頭撰文 主孝 市兵衛記 全 記義奴市兵衛事 上總國市原郡姉崎村市兵衛者下農民 也、其主次郎兵衛元禄八乙亥興于同國 惣兵衛放鳥銃遂猪鹿誤傷人之妻而死 次郎兵衛雖不預其科然曽為之黨類故 連座子伊豆大島市兵衛哀之憂之屡訴 於官廰請贖其罪今己十一歳弗輟弗措 寛永二年乙酉正月十八日郡國總務従 五位下近江守荻原重秀興其同僚聴訴 市兵衛呈懐状曰請以己身處重科免其 主之罪所言大切也官吏門曰是何故乎 市兵衛平伏曰次郎兵衛有老父曰得入 今歳八旬有七近歳嬰中之疾身雖未亡 氣息奄奄命在旦暮僕抱養渇心常有言 曰未苑之日一見次郎兵衛而瞑目則至 願芙靡時而日而不及之毎聴其言不堪 感痛也且次郎兵衛有子遠別時女六歳 児三歳號萬五郎流刑之後其妻産女子 而苑僕乞乳鞠育漸已成長今歳十一歳 皆依頼於我三子共慕父號泣老父児女 之悲人之為情不能忍之況於僕乎請察 哀情逹素願官吏又問曰老父児女所在 如何曰於我不養之育之守主隷之分如 往年之日唯恐用度不給今己四十三歳 然十一歳前興妻不同床比意無也僕若 生子則所養有所缺以嚮所正之女為也 人婢併耕餘所得之金買求田宅而附萬 五郎偏郷之老農為證也 官吏召郡監 又兵衛樋口氏質其言無所違 官吏悉 感其志賞其義重秀乃興同僚告其始末 於 執政老臣皆彼志雖切然次郎兵衛 之罪不可赦是法令所定也唯以次郎兵 衛故田宅之没在 官者悉可授市兵衛 也 官吏傳 命於樋口氏召市兵衛諭 之市兵衛垂首平伏猶有不慊之色又訴 曰所賜之田宅願?之萬五郎自領之則 為主謀而取主之田宅者也 命令雖重 而非素志也 官吏曰思 命惟重不可 變早歸邑里留滞日久支用赤之也市兵 衛拝謝曰僕出邑之日為主待罪故附家 事於姻族孫十郎無所介懐且在府之間 市中有知己者憐僕志感僕情顧遇有餘 歳来雖参江府未求宿衣料也 官吏弥 感其言又告 執政改授田宅於萬五郎 也市兵衛歓□拝伏乃歸其邑重秀又告 執政曰姉崎村幸有無主之地有願授 之市兵衛 執政皆曰可也乃召市兵衛 授田畠六町及田宅等表其行實重秀請 余於記其條状因記卑之且加一語曰至 誠無息無息則久久則徴若市兵衛素志 所存十餘歳之久遠確乎不變官吏感其 誠於今日可謂久則徴者也大凡古来所 責於士太夫者忠尓然亦克之不耻其責 者鮮矣希矣若市兵衛一郷之土民鄙夫 役而奉至心盡己而無餘薀忘身而無他 道以士太夫之取夫能克而克之置之國 則為國之忠臣置之家則為家忠臣使世 之不忠於國不忠家者聞之則赦然其? 有?也 寳永二年乙酉三月 日 従五位下大學頭藤信篤 識 右市兵衛記ニ関シテ當時本人等使 用ノ原本書類ハ弐百余年経過ノ今 日其大部分ハ虫害紛乱ノ厄ニ遇ヒ タルモ残リ一部分ハ當代齋藤市兵 衛氏ニ於テ秘蔵セラレシヲ斯ル姉 崎町ニ對シテ一大名誉ノ物品ハ一 個人ニテ蔵センヨリ宜シク共有町 寶トシテ保存シ弘ク有志ノ一覧ニ 供へ大ニ教育上ニ資セン事ヲ請ヒ シニ幸ニ同氏ノ承諾ヲ得テ表装一 軸トナシ拙者ヨリ寄贈シテ本校ニ 蔵セリ 明治四十三年七月 姉崎町 齋藤 孝 | 目次 |
 | 孝子五郎の事 上總の國市原郡姉崎村の孝子五郎ハ | 目次 |
 | 修来館史記評林改訂 當姉崎町鶴牧藩ニ於テハ藩主水野壱 岐守曽テ史記評林ノ不備ヲ歎キ天保 年間藩儒田中篤實、豊田一貫両先生 及其他ノ諸先生ニ對シ右改訂ヲ命シ 各儒ハ取捨折衷永年間苦心經營セラ レ巨多ノ藩費ヲ投シ遂ニ比大事業ヲ成 就シタリ 右改訂ハ鶴牧版トシテ當時ノ學者間 ニ賞揚セラレ畏クモ事遂ニ 天聴ニ達シ 御前開講ノ栄ヲ得遍ク天下ノ文學界 ニ稗益ヲ與ヘタルハ前記中興ノ事蹟 ト共ニ尤モ當地ノ誇トシテ永ク後世 ニ傳フベキ事ナリ 改訂史記全巻壱部 子爵水野家 ヨリ寄贈セラレテ本校ニ所蔵ス 新刊史記評林鶴牧藩主水野忠順命 田中篤實豊田一貫等校正刊刻者蓋 字畫之楷正校勘之精到較之従前坊 刊諸本太完善矣予以?劣忝備貪 今皇帝侍讀□與三條右府謀進讀史記 以世無善本為憾欲利刊一本以具 御前適忠順家 官准比本刊始成 将獻呈一本乞序□ 余余大善資維文明之 皇治也為題数言 明治二年乙己歳十月 従四位守大學大監兼侍讀大蔵朝臣種樹撰 □印 □印 従七位守少史源朝臣之恭謹書 □印 □印 田中篤實 長谷川敬直 井上光明 関 久成 校合者 林 義次 本多 政辰 関 利器 豊田 一貫 前記三事跡ハ當姉崎町ノ名誉記念ト シテ先般當地廣瀬蘆竹画伯ノ揮毫ヲ 乞イ同族ニ勧メテ三幅對ニ装製シ教 育上参考トシテ本校ニ寄贈シ一見児 童諸士ニ理義ヲ了セシメントス依テ 右本校ニ所蔵ス 姉崎町 齋藤 孝 右 市兵衛記之圖 中 史記改訂之圖 左 孝子五郎之圖 修来館學頭 史記評林改訂主任者 玉峯田中篤實先生筆跡 姉崎大明神 壱幅 右は拙家先代ノ齋藤善吉曽テ先生ニ 揮毫ヲ乞ヒ表装秘蔵セシモノナルモ 世人ノ先生ヲ追想スルト共ニ斯ル大 家ノ筆跡ハ弘ク後人ニ知ラシメンガ 為メ特ニ拙者ヨリ當校ニ寄贈シテ本 校ニ蔵ス 姉崎町 明治四十三年 齋藤 孝 七月 水野忠順公及豊田一貫先生ノ書ハ寫本 ナルモ猶拙者ヨリ寄附シテ本校ニ保存セリ ニ幅對 | 目次 |
 | 各墓所 忠僕 齋藤市兵衛 新町住 孝子 福冨五郎 用呂町住 右両名士ノ墓碑ハ當町經寺ニアリ 但シ市兵衛氏墓碑ハ主家墓所内ニ アリ 市兵衛ハ享保拾九年甲寅四月二日没 法名 寶林院全子日忠信士 五郎ハ弘下四年七月廿日没 法名 孝道信士霊位 藩主 水野壱岐守菩提所ハ隣村椎津村瑞 安寺ナリ墓所ハ帝都小石川傅通院 ニアリ 注意 右忠孝両氏ノ行動ニ感涙ノ餘リ数々 墓前ニ参拝ス然ルニ最初市兵衛氏ノ 墓碑ヲ尋ヌルニ一寸不明ニ付寺僧ニ 案内ヲ乞ヘバ主家内手家ノ墓所内ニ アリ誠ニ意味不明ニ付當代市兵衛氏 ニ糺セシニ同氏曰ク當時主家ニ於テ 祖先市兵衛ノ功ヲ以テ一家ノ柱石ト ナシ死後特ニ主家ニ於テ墓碑ヲ造リ テ同家墓所正面ニ据付タルモノナリ 其儘今日ニ及ビ自然ニ同併シタルモ ノナリト云フ 五郎氏ノ墓碑ハ妙經寺本堂ノ脇北位 数間ノ處ニアリ 二三有志及林善誠氏ノ句碑等アリ 市兵衛記ニ對シ俳人其角ノ句 「起きて聞け比ほとゝきす市兵衛記」の 碑石東都三圍八世其角堂永機宗匠ノ 書當村ノ奇特家林善誠氏ノ盡力ニヨ リ妙經寺本堂前ニアリ 不肖今回同寺山門前入口ヘ忠孝両子 ノ墓碑表示石ヲ建設ス 當村ノ俳人永野菁莪叟モ安政年間有 名ナルモノニテ東都ニ於テモ雅人墨 客間ニ其名ヲ知ラレタルモノナリ墓 所ハ妙經寺ニアリ 遺詠 明治拾三年乙卯十二月二日没六十四才 永善院浄楽日境信士 俗名三右エ門 俳号菁莪 埋妙經寺 
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 | 姉崎八景 春帆 義僕孝子の墓 忠僕と孝子の墓や□す 修来館跡 稚児群るゝ修来館跡や春の風 明神 明神□神秘つゝむや杉若葉 正坊山 笛吹くや正坊山の夏の月 椎津城跡 古碑よめば秋風寒し椎津城 八田圃 ゆく雁や夕日冷たき八田圃 妙經寺 逝く秋や鴉寝にゆく妙經寺 河岸□雪 海越えて富士に冴えたり河岸の雪 大正三年三月 水島川安□ 二十歳 當町五大家俳句筆跡等ハ短冊等 拙者ヨリ寄附シテ本校ニ保存ス | 目次 |
 | 近隣名勝及神社仏閣 出津川 櫻花 笠上山 風景遠く富嶽ヲ眺メ袖ヶ浦 一望風景絶雅ノ地ナリ 文拙ナルモ古書ニ笠上山ノ記アリ 右笠上山々頂ノ古松ヲ維新後抜碎シ 観音堂ヲ山下久保田村ニ引移シタル ハ風景上尤モ遺憾ノ極ト云フベシ 椎津城山 椎津小太郎城址 椎津濱田 海水浴 椎津川及海邊一帯魚釣地 字八段浦 白砂青松 小舞子ノ趣キ アリ比邊一帯新緑ノ候聴蟲、聞蛙、 蛍火、仲秋観月、冬季雪景等又賞 スベキモノアリ 天羽田 早蕨取リ 初蕈狩 姉崎神社 式内縣社ニシテ地形髙燥 石段数百段 境内廣ク古杉数千欝蒼 トシテ社殿 壮麗 神威厳然タリ 古来上総五社ノ内第一位トシテ其 名遠近に轟ク早晩官幣社ニ列セラ ルベシト云フ 境内宮山弐町弐反弐畝廿二歩 上総五社 姉崎神社 飯冨神社 嶋穴神社 橘神社 玉前神社 姉崎臺 菅原神社 管公ヲ祭ル土地 最モ髙ク老松生茂リ文墨ノ神トシテ 學童等能ク賽ス 同 鬼子母神堂 法華宗顕本派ナリ 霊験著大ノ鬼子母尊神及釈迦牟厄佛ノ 石像アリ 川崎稲荷 社側ニ神木トシテ数千年ヲ 経タル周囲ニ丈余稀有ノ大木アリ 明治四十四年四月十日夜椎津ヨリ出火本殿大木共焼失セリ 天照大神 字天羽田ニアリ及法華宗 妙經寺末安誠寺アリ 椎津村 八坂神社 鎮守郷社ニシテ 境内ニ数百年ヲ経タル大銀杏樹アリ 妙經寺 姉崎町ニアリ法華宗顕本派 ナリ地方大寺ニシテ境内廣ク旧御 朱印拾石旧塔中拾坊 義僕市兵衛 孝子五郎其他名士ノ墓アリ 長遠寺 顕本法華宗ニシテ霊験著大 ノ讀經日蓮大菩薩及宗祖御真作開運大黒 天ヲ安置ス 毎月十二日縁日賽人群集ス 境内ニ星降リノ大銀杏アリ 椎津瑞安寺ハ浄土宗ニシテ境内廣ク 龍宮出現名作ノ文殊菩薩ヲ安置ス旧御朱印付 旧藩主水野壱岐守菩提所ナリ 霊光寺 字山谷ニアリ 真言宗ニシテ 帝都湯島霊雲寺末寺ナリ境内廣ク 近来四國八十八ヶ所ノ大師ノ名刻 ヲ山上ニ併置シ春秋二期大供養ヲ 行ヒ當日ハ賽人群集スト云フ 豊成村 不動院 正面扁額ハ修来館次長豊田一貫先生（晩年） ノ筆ナリ 明王山 存堂内（不動尊）ノ三字扁額ハ藩主水野忠順 公ノ筆ナリ | 目次 |
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 | 千葉縣 偉人九名 日蓮大菩薩 安房國御出生 大野五郎右衛門 國寶 鎌倉大佛鋳造者 望陀郡失那産 菱川師宣 日本得繪 安房國北條出 千葉之介常胤 軍管 千葉町生 義僕市兵衛 姉崎町 伊能忠敬 幕府測量官 下總佐原 木内宗吾 義民 佐倉 田中篤実 鶴牧版史記評林改訂者 姉崎町 佐藤尚中 醫術大博士 佐倉 以上 九人 | 目次 |
| 姉崎町古今名誉家 廿六名 | ||
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椎津児太郎義昌 軍管 椎津城山城主 常楽院日経上人 妙經寺十二世 水野壱岐守忠順 藩主 修来館創立者 義僕齋藤市兵衛 北山先生 将軍家侍醫頭 賜薬王院号 日寧上人 長遠寺中興 宇都木五郎兵衛 葭谷原開拓者 姉川波右衛門 江戸大角力大関 内手次郎兵衛 商業家 野川刀自 鍋島候老女 福冨五郎 孝子 石渡礒野刀自 沼津城主 水野候御祐筆 永野菁莪 俳諧大家 田中篤實 修来館長 豊田一貫 同 次長 長谷川敬直 同 幹事 関 利器 同 儒官 本多政展 同 儒官 井上光明 同 儒官 林 義次 同 儒官 関 久成 同 儒官 長尾市郎右衛門 鶴牧藩槍術師範 林 善誠 善行家 佐久間ます 貞女 泉水喜惣治 孝子 藤谷ふじ 貞女 以上 二十六人 | 目次 | |
| 姉崎町俳諧五大家 | ||
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永野菁莪翁 嘉永 征失春莪 文久 平木萬葉 明治 齋藤崋山 仝 杦田葉舟 仝 以上 追加 大正元年 高山大僧正 山谷霊光寺住職 孝子七兵衛 天明 天羽田子者清水旧□ 井上櫻糖先生 明治四十五年没 廣瀬蘆竹先生 画伯 | 目次 |
| 姉崎町五名刹 | ||
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讀經日蓮大菩薩 長遠寺安置 龍宮出現 三國一体 文殊菩薩 瑞安寺安置 子育 鬼子母尊神 寶藏寺安置 山谷 霊光寺弘法大師 不動院 不動尊 豊成区 | 目次 | |
 | 市兵衛ハ赤穂義士ニ優ルノ説 予曽テ義僕市兵衛ニ付テ東都各大家ノ 高説ヲ糺シタルニ就中某博士ハ非常ニ賞 讃シ其一説ニ曰ク一言スレバ赤穂義士ハ人 生ノ範タル武士ニシテ身ニ大禄ヲ喰ミ一朝 主君ノ出来事ニ對シテ例ノ快挙ハ何レモ 博学高識ノ士ニシテ武士道上當然ノ義務ヲ 盡シタルモノト云フベキナリ其他下總佐倉 ノ木内宗吾ノ如キモ名主トシテ普通人民ノ 上位ニ居テ配下農民ノ困苦ニ對シ其盡スベ キヲ盡シタモノナリ茲ニ獨リ比市兵衛ニ至 リテハ身ハ田夫野人ニシテ單ニ一家ノ耕僕 ニ過ギズ然ルニ一朝主家ノ内ニ人生トシテ 出来得ベカラザル困難ニ堪へ忠誠能ク其公 官ヲ感動セシメ其本懐ヲ達シタルハ□ニ忠 臣義士以上ノモノナリト冝ナルカナ徂徠先 生林先生等始メ諸大家多大之賞詞アリト | 目次 |
 | 本書始メ拙者ヨリ寄贈ノ物品ハ空シク 庫底ニ埋蔵セズ各祝日祭日等ニハ夫々 出品シ識者ノ一覧ニ供セラレン事ヲ望ム 齋藤 孝 □印 禁校外搬出 教育道場 姉崎小学校 常備 | 目次 |