千葉県の郷土料理「太巻き寿司」は、農林水産省の郷土料理100選にも選ばれているが、その起源がよくわかっていない。昨年「房総太巻き寿司」が市原市の「ふるさと名物応援宣言」を受けとことをきっかけに、そのルーツについて調べた。2021年10月にあった日本栄養改善学会でその内容を発表した。それをもとに子供にもわかりやすいよう、仮名もふって漫画も入れた冊子を作った。
新しい発見が次つぎに見つかった。太巻き寿司に使われるノリは、江戸時代の後半に近江屋甚平衛によって、1822年に君津市人見で初めて養殖に成功した。
江戸時代後期に多数の図を配した江戸の考証的随筆「守貞謾稿」に1800年代に、江戸で「細いのり巻き」「かんぴょう入り中巻き」「玉子巻き」が作られていた記録が残されていた。
君津市人見から10kmほどにある袖ケ浦市にあった江戸幕府の直轄地の代官所で1827年「はなずし」が結婚式でふるまわれ、1833年頃に「のりずし」がお見舞いの品に作られていたという古文書が残っていた。
江戸時代に、江戸から「のり巻き」が伝搬され、貴重な海苔が採れ、米の産地だった内房で「細いのり巻き」を中に入れ太くした「太巻き寿司」が誕生したと考える。ノリとコメの産地で200年作られてきた、伝統の郷土料理「房総太巻き寿司」が地域の宝として、これからも伝承されるよう活動を続けたい。

冊子 発行 令和3年11月1日(A5版 20頁)
発行者「房総太巻き寿司を伝える会」
無料配布
問い合わせ先 0436-21-8599 上田